「Another Louvre」体験記:ルーヴル美術館公式の12ユーロツアー

Another Louvreの見学中、Cour Khorsabadの巨大なラマッスの間に立つArtur Jakucewicz
11時19分、Cour Khorsabadの有翼人面牡牛の間に立つArtur。

体験のまとめ

美術が好きなら楽しめますが、初回の必須コースではありません。

公式の案内だけでは、実際に何を見るのか分かりにくいツアーです。英語の「Another Louvre」に参加した私たちが、巡った展示室と作品を紹介します。

  • 12ユーロ入場料22ユーロとは別料金
  • 90分参加したツアーの所要時間
  • 10:30通常の午前枠:月・金・土

『モナ・リザ』などの名作を見た後、2回目や3回目の訪問に向いています。初めてなら、まず代表的な作品を見ておくのがおすすめです。

ルーヴルが開催する公式ツアー

提携先のツアーとは別に、美術館自身もガイドツアーを開催しています。予約先は公式チケットサイトです。以下の3種類は英語で行われ、料金は入場料とは別に12ユーロ、割引対象者は9ユーロです。

英語ツアー内容学校休暇期間以外の通常日程
Welcome to the Louvre『モナ・リザ』、ニケ、中世の城の堀火曜日を除く毎日11時・14時
Another Louvre比較的静かな展示室と知られざる作品月・金・土曜10時30分、金曜は18時も開催
Louvre Family6〜10歳の子ども向け木・土・日曜10時

公式情報の確認日:。学校休暇中は変更される場合があります。予約前にカレンダーをご確認ください。

2026年10月17日〜11月1日は、「Another Louvre」の公式案内に、月・金・土・日曜10時30分と14時30分、金曜18時の開催が記載されています。

今回参加したツアーの言語は英語です。この記事が日本語であることは、日本語の「Another Louvre」が開催されることを意味しません。予約画面で実際のガイド言語と時刻を確認してください。

開始時刻にも注目しましょう。英語の「Welcome to the Louvre」は通常11時または14時開始で、館内が混み合う時間帯です。私たちには土曜日10時30分の「Another Louvre」が都合よく、朝の見学と組み合わせられました。

このツアーを選んだ理由

2人ともギリシャ・ローマの歴史に親しんでいるので、有名な作品は自分たちで見ることにしました。9時の入場後に『モナ・リザ』『サモトラケのニケ』『ミロのヴィーナス』を鑑賞し、10時30分から比較的訪問者の少ない展示室を巡りました。朝の訪問記はこちらです。

集合から出発まで

39日前に、公式サイトで入場券と一緒にツアーを予約しました。当日の手順は次のとおりです。

  1. ピラミッド下の団体受付へ向かいます。チケットには、移動に最大30分を見込むよう記載されていました。
  2. パスポートまたは身分証明書を預け、受信機とイヤホンを受け取ります。
  3. 必要なら、近くの無料ロッカーに荷物や上着を入れます。
  4. 番号の付いた集合室で待ちます。
公式ツアーの集合場所となる、ルーヴル団体受付の番号付きガラス張りの部屋
10時22分、公式ツアーの集合室。

グループは約20人で、ガイドは英語でした。知識が豊富で親しみやすい方でした。まず室内でイヤホンと受信チャンネルを確認し、館内の構成と当日の流れについて説明を受けました。

集合場所は展示エリアの外ですが、参加後もチケットの確認を受けて別の翼へ入れました。ガイドにも確認済みです。ただし、美術館の建物から出ると再入場できません。

「Another Louvre」で見た作品

ツアーでは、ここで紹介する以外にも多くの作品を見ました。特に印象に残った場所を、見学順にまとめます。

Cour Marly(マルリーの中庭)

出発点はRichelieu翼の階層−1、102展示室です。かつての中庭には現在ガラス屋根がかかり、王室の庭園や広場のために作られたフランス彫刻を自然光の下で鑑賞できます。

ガラス屋根の下、大理石彫刻が並ぶRichelieu翼のCour Marlyで見学するグループ
10時51分、Cour Marlyでの私たちのグループ。

最初に立ち止まったのは、ギヨーム・クストゥーの躍動的な『マルリーの馬』です。写真中央は、ガスパール・マルシーとアンセルム・フラマンの『オレイテュイアをさらうボレアス』です。

マルリーの馬と、オレイテュイアをさらうボレアスの写真を組み合わせた画像
10時52分。左右は『マルリーの馬』、中央は『オレイテュイアをさらうボレアス』です。

Cour Puget(ピュジェの中庭)

隣の105展示室もRichelieu翼の階層−1にあり、17〜19世紀のフランス彫刻が並びます。

Cour Pugetにあるマルタン・デジャルダンの4人の捕虜のうち、オランダを表すブロンズ像
10時58分、『4人の捕虜』のうちオランダを表す像。

最初はマルタン・デジャルダンの『4人の捕虜』(1679〜1682年)。4体のブロンズ像は、敗れた勢力であるスペイン、神聖ローマ帝国、ブランデンブルク、オランダを表します。元はパリのヴィクトワール広場の王をたたえる記念碑の一部でした。

同じ中庭には、セバスティアン・スロッツの『ハンニバル』と、ニコラ・クストゥの『ユリウス・カエサル』があります。ヴェルサイユ庭園のために制作され、1722年にテュイルリー、1872年にルーヴルへ移されました。

Cour Pugetの大理石像、スロッツのハンニバルとクストゥのユリウス・カエサル
11時7分。左はハンニバル、右はユリウス・カエサルです。

Arturのお気に入りは、フランソワ=ジョゼフ・ボジオの『蛇に変身したアケロオスと戦うヘラクレス』。1824年のブロンズ像で、高さは2.6メートルです。

Cour Pugetにある、蛇に変身した河神アケロオスと戦うヘラクレスのブロンズ像
11時9分、ボジオのヘラクレス。

蛇はヒュドラではなく、姿を変えられる河神アケロオスです。2人はデイアネイラとの結婚を巡って争いました。

ヘラクレスは片手で相手をつかみ、もう片方の手を振り上げています。

ハンムラビ法典碑

彫刻の中庭から階層0へ上がり、古代オリエントのコレクションへ進みます。

ルーヴルのハンムラビ法典碑に刻まれたバビロニアの楔形文字の拡大
11時10分、近くから見た楔形文字。

227展示室のハンムラビ法典碑は、高さ2.25メートルの玄武岩製で、約3,800年前のバビロニアの石碑です。現在のイランにあるスーサで発見されました。

近づくと楔形文字の行が見えます。家族、財産、商業、労働、犯罪などに関する282の規定が刻まれています。

Cour Khorsabad(コルサバードの中庭)

Richelieu翼の階層0、229展示室には、冒頭の写真に写る有翼人面牡牛ラマッスが立っています。現在のイラク、コルサバードにあったドゥル・シャルキンのアッシリア王サルゴン2世の宮殿を守っていた像です。紀元前721〜705年の制作で、高さは4メートルを超えます。

正面と横から見比べましょう。脚が5本あり、正面からは静止し、横からは歩いているように見えます。

同じ中庭に、ライオンを抱く英雄の浮彫もあります。ウルク王ギルガメシュと解釈されることが多い像です。高さ5メートルを超え、アッシリア美術では珍しい正面向きの姿をしています。

ギルガメシュとも解釈されるライオンを抱く英雄の浮彫の隣に立つArturと、像の細部
11時18分、ギルガメシュとも解釈される英雄の隣で。

マリのエビフ・イル

Richelieu翼の階層0、234展示室のエビフ・イル像は紀元前2400年頃の作品です。現在のシリアにあったマリの高官が、座って手を組み祈る姿を表しています。Arturにとって、この日の大きな発見の一つでした。

エビフ・イル像を3方向から撮影。ラピスラズリの目、組んだ手、背中の楔形文字
11時22分、エビフ・イルの目、手、銘文。

特に目を引くのは、貝にラピスラズリをはめ込み、黒い粘土で縁取った目です。4,400年以上を経ても生き生きとしています。肩の銘文には、女神イシュタルに捧げたことが記されています。

ウルカギナの円錐碑

次に見たのは、ハンムラビ法典より約600年古い改革文書でした。

ウルカギナの改革を楔形文字で記したシュメールの粘土製円錐碑
11時27分、ウルカギナの円錐碑。

236展示室のウルカギナの円錐碑は紀元前2350年頃のものです。古代シュメールのギルス出土で、高さ27センチの粘土製。ラガシュの支配者ウルカギナが権力の乱用や不当な徴収を抑えた改革について記しています。

法と統治に関する、現存する最古級の文書の一つです。

窓から見下ろすピラミッド

レンブラントを見るためオランダ絵画の階へ上がる途中、Cour Napoléonを見下ろす窓で立ち止まりました。館内を1時間ほど歩いた後、I・M・ペイのピラミッドを上から眺めると気分が変わります。

館内の窓から見たガラスのピラミッドとCour Napoléon。奥にはDenon翼
11時31分、Richelieu翼の上階から眺めたピラミッド。

27年の時を隔てたレンブラント

Richelieu翼の階層2、844展示室には、レンブラントの自画像が3点並びます。Arturには、ツアーで特に印象に残った場面でした。

ルーヴルのレンブラント自画像3点。27歳の1633年の2点と、54歳の1660年の画架の前の姿
11時42分、27歳と54歳のレンブラント。

2点は1633年、27歳頃の作品です。片方はベレー帽と金の鎖を着け、もう片方は帽子をかぶっていません。若い画家の自信が感じられます。1660年の自画像は、54歳の画家が簡素な帽子をかぶり、画架の前に立つ姿です。

その間の1656年に破産を経験しています。並べて見ると、人生の時間が伝わってくるようでした。

同じ部屋には、1634年に描かれたアムステルダムの若い夫妻、マールテン・ソールマンスとオープイェ・コピットの全身肖像画もあります。

ルーヴルに並ぶレンブラントのマールテン・ソールマンスとオープイェ・コピットの全身肖像画
11時46分。左はマールテン・ソールマンス、右はオープイェ・コピットです。

フランスとオランダが2016年に共同購入した2点は、常に一緒に展示され、ルーヴルとアムステルダム国立美術館を交互に巡ります。パリでの展示は2029年までです。12時に、90分のツアーが終わりました。

よかった点と注意点

よかった点

  • 見過ごされがちな静かな展示室を巡れる
  • 知識が豊富で親しみやすいガイド
  • 入場料に12ユーロ追加で参加できる
  • 館内の構成を分かりやすく知ることができる

事前に知っておきたい点

  • 開催日時が限られ、学校休暇中は変わる場合がある
  • 訪れる展示室が事前に分からない
  • 集合場所が展示エリア外のピラミッド下にある
  • 初回の見学には最適とは限らない

公式ツアーと提携先ツアー、どちらを選ぶ?

どちらも選択肢になります。違いは、午前中の使い方です。

今回の私たちの予定

9時入場+公式ツアー

料金
1人34ユーロ(22+12ユーロ、EEA対象料金)
館内の滞在時間
3時間以上
『モナ・リザ』
混雑のピーク前に個人で鑑賞

比較する2案のうち安い方法ですが、1日の多くの時間を美術館で使います。

まとめて予約するなら 手配が簡単

9時開始のガイドツアー

料金
やや高め:予約可能な価格を確認
館内の滞在時間
2〜3時間
『モナ・リザ』
混雑のピーク前に公認ガイドと鑑賞

ルーヴル公式提携先で、早い入場とガイドをまとめて予約できます。

疲れも考慮しましょう。多くの方には2〜3時間がちょうどよい長さです。それ以上になると集中力や体力が落ちます。遅い時間のツアーを待つためだけに、終日滞在する必要はないと思います。

公式ツアーはおすすめですか?

理解を深める楽しい体験でしたが、必須ではありません。『モナ・リザ』や代表作を、できれば解説付きで見た後に、美術への関心を広げたい2回目・3回目の訪問に向いています。初回は、まず有名な展示室を訪れる方が満足できるかもしれません。

よくある質問

12ユーロに入場料も含まれますか?

いいえ。12ユーロはガイドツアーのみの料金です。入場券は別途必要で、EEA対象料金は22ユーロ、それ以外は32ユーロです。

Another Louvreの所要時間は?

参加したツアーは10時30分から12時までの90分でした。

公式ツアーの集合場所はどこですか?

ピラミッド下の団体受付です。そこまでの移動に最大30分を見込んでください。

ツアーの後、展示室へ戻れますか?

はい。私たちはチケット確認を受け、別の翼へ入りました。建物の外へ出ると再入場できません。

Another Louvreはどんな人向けですか?

代表作をすでに見たリピーターや美術好きの方に向いています。初回は有名な作品から見るのがおすすめです。

Welcome to the Louvreとの違いは?

Welcome to the Louvreは代表作を紹介します。Another Louvreでは、比較的静かな展示室と知られざる作品を巡ります。

公式ツアーならモナ・リザを混雑なしで見られますか?

難しいと思います。英語のWelcome to the Louvreは通常11時か14時開始で、混雑する時間帯です。落ち着いて見たい場合は9時に個人で訪れるか、9時開始の提携先ツアーを検討してください。

レビューの作成方法

  • 39日前に公式サイトで入場券とツアーを予約し、通常料金の1人22+12ユーロを自分たちで支払いました。
  • 2026年10月10日(土)10時30分の英語ツアー「Another Louvre」に参加しました。
  • 写真はすべて自分たちで撮影し、端末が記録したパリ現地時刻を記載しています。
  • 作品の情報は、本文からリンクした公式ページとコレクション・カタログで確認しました。
  • 開催日程は、公式カレンダーで数か月ごとに再確認します。

Louvre Last Minuteは独立系の比較サイトです。このレビューに対する報酬は受け取っていません。提携リンクから予約すると、紹介料を受け取る場合があります。

執筆者について

見学を終え、ルーヴルのピラミッド下に立つArturとJana Jakucewicz
2026年10月10日、見学後の12時23分にピラミッド下で。

長年ウェブ開発と旅行記事の執筆に携わっています。Louvre Last Minuteを立ち上げ、開発を担当しています。 画面設計と使いやすさを専門とするデザイナーです。Louvre Last Minuteの画面をデザインしました。 自分たちで体験した訪問だけを記事にしています。古代彫刻とギリシャ・ローマの歴史に特に関心があります。 運営者について詳しく.